耳のお悩み

中耳炎に関しての基本情報

中耳とはどこにあるのですか?中耳炎とは何ですか?

中耳とは、耳の奥(鼓膜のさらに奥)にあります。
中耳炎とは、中耳に炎症が生じている病気です。

中耳炎1
中耳炎2

急性中耳炎について

急性中耳炎はどうしてなるのですか?

  • カゼをひいて起きることが多いです。
  • 大量の鼻水、鼻すすりなどで鼻・ノドについた菌やウィルスが、耳管(鼻と耳のとおり道)を通り中耳に入り中耳炎がおきます。

※鼻が悪いと中耳炎になりやすいのはこのためです。鼻すすりも中耳炎の誘因になるのでやめましょう。

急性中耳炎は何歳頃に多いのですか?

  • 生後6ヶ月~1歳6ヶ月の間によく起こります。
  • 3歳を過ぎると急に減ってきます。

※3歳までに5~7割のお子さんが一度はかかるとされている多い病気です。

急性中耳炎の症状は何ですか?

  • 耳が痛い
  • 耳だれ
  • 耳に手をあてる
  • 耳のつまり感
  • 難聴
  • 発熱

※原因がなかなか分からない発熱の場合、中耳炎のことがあります。

急性中耳炎の症状1
急性中耳炎の症状2

急性中耳炎は治るまでにどれくらいかかるのですか?

  • 完全に治るまで、早くて1~2週間かかります。
    ※炎症の程度によって治るまでの期間が違います。
  • 完治するまで治療しないと滲出性中耳炎になってしまいます。

治っても、繰り返すことはありますか?

  • 3歳までのお子さんは、約5割の確率で繰り返すとされています。
    それは感染に対する抵抗力が弱いためと、耳管(鼻と耳のとおり道)が十分に発達していないためです。
  • 3歳を過ぎると急に減ってきますので、繰り返し起こったとしても、あせらずおきなくなる時期を待ちましょう。

滲出性中耳炎について

  • 急性中耳炎が、治療の中断などで完全に治りきらなかったためです。
  • 飛行機などの急激な気圧の変化があったためです。
  • ちくのう・アデノイドなどで耳管(鼻と耳のとおり道)が詰まったためです。

※鼻が悪いと中耳炎になりやすいのはこのためです。鼻すすりも中耳炎の誘因になるのでやめましょう。

滲出性中耳炎は何歳に多いのですか?

特に1~6歳のお子さんに多いです。

滲出性中耳炎の症状は何ですか?

  • 難聴(返事をしない、聞き返しが多い、大きな声でしゃべる、TVの音が大きい)
  • 耳をさわる。

※難聴が続くと言葉や学習の遅れにつながることがあります。

滲出性中耳炎の症状

こんな症状があったら要注意

  • 呼んでも返事をしない
  • 聞き返しや聞き間違いが多い
  • テレビの音を大きくしたり、近づいて見る
  • よく耳をさわる

滲出性中耳炎は治るまでにどれくらいかかるのですか?

  • 早くても2週間以上かかります。
  • 数ヶ月かかることもありますし、再発することも多いです。
  • 2~10ヶ月の間で治ったり、再発したりするので注意が必要です。

その他

  • 子どもの滲出性中耳炎の20人に1人は難治化し、400人に1人は後遺症を残すとされています。
  • 10歳以上の滲出性中耳炎は治りにくいとされています。

子どもの難聴

突然に起きる原因不明の感音性(きこえの神経が悪くなる)難聴です。

きっかけは?

肉体的・精神的に疲労がたまっていたときに起こりやすいです。
例えば、かぜをひいていたり、寝不足や多忙な生活が続いたときなどです。

原因は?

ウィルスの感染内耳の血液循環障害といわれています。

  • ウィルス感染説(炎症が起きる)
  • 血液循環障害説(血液の流れが悪くなる)

耳の中の構造

耳の中の構造

症状が急に変わることもあります。疑問な点や困った事がありましたら、なるべく早目におたずね下さい。

症状

  • 片側の耳がボーっとする、つまった感じがする。
  • 片側の耳が聞こえなくなった。
  • 耳鳴りがする。
  • 自分の声が響く。
  • めまいがする。

治療

  • 飲み薬(循環代謝改善薬・ビタミン剤・ステロイド剤)。
  • 点滴(循環代謝改善薬・血管拡張薬)。
    ※点滴は治るまで、できるだけ多くやったほうが治りはいいです。

治りやすい場合

  • めまいがない場合。
  • 難聴が軽度の場合。
  • 難聴が低音のみの場合。
  • 治療開始が早い場合(特に2週間以内)。
  • 年齢が若い場合(50歳未満)。
  • 糖尿病などの合併症がない場合。

その他

  • 治療開始のタイミングが重要です。
    治療開始が遅い場合(3週間以上)は治りが悪くなるとされています。
  • 5~8割ぐらいの方はよくなります。
    ※5~10%の方がメニエール病になるとされています。
  • 一度よくなっても再発することがあります

子どものお耳そうじ

お耳そうじについて

  • 範囲は軟骨部外耳道までの、入り口から見える範囲だけ(耳の穴から1cm以内、目安は小指のつめが入るくらい)綿棒でそうじするようにして下さい。
  • 特にお風呂上がりは、耳垢が柔らかくなっているのでそうじしやすいです。
  • お家でのお耳そうじは5~7日に1回のペースでいいです。
  • 綿棒や耳かきは短めに持ち、耳の壁をなでるようにして下さい。
  • 綿棒はベビー用の細いものを使用して下さい。
  • 乾性の耳あかは、綿棒の先にオリーブオイルを少し付けると取りやすいです。
  • 耳かきは使ったら洗浄して清潔にして下さい。
  • 自然に取れない耳あかを無理に取ろうとしないようにして下さい。
  • 痛みを感じたら、すぐ中止して下さい。
  • やりすぎ禁物。かえって耳あかを増やします。

奥の方の取れない耳垢は耳鼻咽喉科に受診し取ってもらいましょう。
耳垢を取るだけの受診でも歓迎ですよ!
大体3ヶ月に1回のペースでいいです。

お耳そうじ1
お耳そうじ2